2016年10月28日金曜日

夏が終わってしまった件:ニューヨーク最良の波

サーフィンのことを書こうと思って始めたものの、止まってしまった。
しかも夏が終わってしまった。
今日はすでに6度くらいの気温です。
この夏記憶にあることを思い出して記録しておこう。

9月5日、それは美しい波を拝むことができた。

久々の海、かつハリケーンからのうねり
ハリケーンがカリブ海からフロリダ、東海岸に近づいてきたときのこと。
カリブやフロリダあたりでは被害もあったようで、
ニューヨークも警戒情報が流れていた。
ただ、ハリケーンは熱帯低気圧に変わり、
西に進路をとったため、嵐になることはなく、
うねりだけが残る予報だった。

警戒しつつ、天気予報も波予報も割とおだやかだったため、海へ。
一応準備はしてきたものの、入れない可能性80%くらいの気分で向かった。
(なので、悠長にベーグルを買いに立ち寄る。)

ベーグル屋のテレビでは、東海岸のビーチでハリケーン中継をしている。
無理だろうな、と思いつつ、海を見ることはできそうな天気ではあるので、
ベーグルとコーヒーを持ってビーチへ向かった。

美しい波
すると、そこには、
これまで10年弱で見てきた波の中で、
ベスト10には入るであろう、美しい波が割れていた。
意外なほど風は弱く、曇り空にグレーの波がぺろんと割れていく。
どこの海でもそうだが、やはり地元のエキスパートたちが参集している。
嵐とは程遠い雰囲気に見とれてしまう。

波はでかい。(私にとっては。)
離れてみると大きく見えないが、近づけばでかいのはよくわかっている。
絶対に無理はしない前提で入ることにした。

皆堤防側からアウトに出て行く。
堤防よりから入ると、それは強い引き潮に翻弄される。
千葉のような海と違い、海底が急に浅くなっているのか、
引きの力が非常に強い。
あっという間に横に流されてしまう。
結局私はアウトまで出られず、
岸に近いあたりでショアブレイクに巻かれては、パドルすることを繰り返した。
アウトに出られないのは、久しぶりのパワフルな波に対する恐怖心があったからだった。
穏やかなニューヨークの夏の海に甘やかされていた。

これではいけない
9月初旬はまだ海でのんびりくつろぐ人もまだいる。
この日は、大きなレンズを三脚でセットしたフォトグラファーが何人もいた。
それくらいフォトジェニックな波とエキスパートがそろっていた。
そして波とサーファーを眺めるたくさんの人々。

私はというとショアブレイクで巻かれ続けた。(ショアブレイクだが十分大きい。)
岸に打ち寄せられるようにして立ち上がると、波打ち際で犬の散歩をするおじさんがニヤリとウィンクした。
これではいけない、と思ったニューヨークベストウェイブでした。















2016年5月9日月曜日

観戦:アメリカズカップ in ニューヨーク初日5月7日 Vol.1

ここ数ヶ月で一番楽しみにしていたアメリカズカップ。
去年開催されたバミューダ大会を中継で見てから、動向を見ていました。
ニューヨーク開催を知ってから、心待ちにしていたのです。

結局は、風が規定以上吹かず、本レースは翌日に延期になったものの、
予備レースが1回だけ開催され、スーパーヨットの走りを見ることができました。
そして、ソフトバンクチームジャパンがそのゴールラインを1位で切ったのです。

午前中からBrookfield Placeに駆けつけ、曇り空のひんやりとした空気の中、
ほぼ4時間近く堤防に立ち続けた甲斐があったというものです。
粘って良かった。
目の前のゴールラインを世界最高峰のヨットが切る瞬間を見れるなんて、素晴らしい。
しかもそれが日本チームだったなんて、さらに素晴らしい。
南か南西の風でした。

Brookfield Place
開催場所は、マンハッタンの南端近くにあるBrookfield Placeという場所。
ショッピングモールのようになっていて、
すぐ西側のハドソン川沿いにNorth Cove Yacht Harvorという小さなハーバーがあります。
歩いて10分もあればウォール街、すぐ東側はグラウンドゼロ。
モールの後ろには巨大なワンワールドがそびえ立っています。


遅延
ここに到着したのは、午前10時。
10時からエグジビションがある予定。
猛烈に急いでハーバーに出ると、想像していた活気がない。
テントやステージはあるものの、スタッフはのんびり準備をしているような様子。
ベストポジションの岸壁沿いには人はまばらで、朝のジョギングをしている人が行き交うのみ。
おかしい。
携帯のアメリカズカップアプリを開いて、昨日から見ていたスケジュールを見ると、
なんと、すべての予定時刻が2時間ずれている。
拍子抜けして、とりあえず、モールを散策。

VIP船
小さなハーバーにはところ狭しと、レーススタッフ艇、警察艇、消防艇が停泊している。
木目調のデッキが高級感を漂わせる、船がいくつか並んでいる。
船長も”船長の格好”という格好をしている。(白い帽子に袖口に縞のあるネイビージャケットと白い手袋)
桟橋のたもとには、VIP と書かれたテントとネームタグが準備してある。
レース関係者やその名の通り、VIP専用船のようだ。
チームUSAのスポンサーでもあるBMWのロゴのついたVIP案内板もあった。

J-Class エグジビション
岸壁の一部は車椅子等の専用席、プレス席となっている。
一般客の立ち入れる一番岸壁沿いに自分の場所を確保することができた。
12時になると、予定どおり、J-Classヨットのショーが始まった。
ハーバーから少し前に出て行った2艇の巨大ヨット。

南側から岸壁の近くまで近づき、ターンして遠ざかっていくヨット。
すぐ横に立ち並ぶビルと同じくらいの高さのマスト、
ピシッと風をはらんだ巨大な白いセール、
流線型の長い船艇。
その美しさ、優美さにため息がでます。

このJ-Classは、昔アメリカズカップのヨット規格だったそうです。















2016年5月7日土曜日

速報:The Louis Vuitton America's Cup World Series in New York : ルイヴィトンカップ in ニューヨーク初日5月7日 日本ソフトバンクチームが代理レースで1位!

数ヶ月待ちに待った日がやってきました!
サーフィンではありません。ヨットです。

2017年にバミューダで開催されるアメリカズカップの前哨戦、ルイヴィトンカップ。
2016年5月7日、8日に、ここニューヨークで開催されるのです。
ニューヨークでレースが行われるのは96年ぶりだそうです。
たまたまニューヨークに住んでいる間にこんな機会に恵まれるとは、本当にラッキーです。
大学時代に、ほんのちょっとだけディンギーヨットに乗ったことがあり、
ヨットには興味があるのです。

今日のレースの細かいことは後日書きます。
ソフトバンク 日本チーム アメリカズカップ

<結果>
・コンディションが整わず、午後2時のスタート時間を切っても始まらず。
・3時45分にやっとレースが始まる。
・このレースはどうやら”substitute race"となった模様。(明日日曜日の3つのレースができなかった時の予備のようなもののようです。)
・日本のソフトバンクチームが1位獲得!!!

<レースの基本知識>
・6チームが参戦。USA、フランス、イギリス、スウェーデン、日本、ニュージーランド。
・アメリカズカップと言われるのは、本戦のことを言う。(2017年バミューダレース)
・本戦は、ディフェンディングチャンピオンのUSAと挑戦艇の一騎打ち。
・挑戦艇決定のためのレースが事前に行われ、それらのレースがルイヴィトンカップと言われている。


結局substitute raceとなったようですが、レースが見れてよかった!
しかも日本チームが1位。
陣取っていた岸壁のすぐ目の前がゴールで、日本チームの勝利の瞬間を目の前で見ることができました!!
明日も行ってきます。





2016年4月25日月曜日

パタゴニア:アロハシャツの権威、Dale Hope氏:知られざる(知らなかった)アロハシャツの歴史vol.2

デール・ホープ氏の公演が始まった。
スクリーンに新刊書籍から抜粋したと思しきアロハシャツや昔のハワイの様子などの写真を投影して話が進む。

<浴衣アロハ>
スクリーンに投影され、説明されたのが、一枚のモノクロ写真。
大型船の甲板に立つ女性の写真だ。
女性はアロハシャツを着ているが、そのシャツのプリントは、
一目でわかる浴衣らしい、大柄な花の模様だった。
私はアロハシャツについての知識はあまりないのだが、
ハワイで日系人の使っていた浴衣の生地をシャツにしたのが始まり、という話はかろうじて知っていた。
しかし、こうやって浴衣生地とわかるアロハを着た人の古い写真を見ると、
アロハシャツの歴史に一気に引き込まれるようだった。

<何気ないイラストに描かれた日常風景>
ぱっと見では、何気ないプリントと思うような柄には、デザイナーが込めたハワイの日常が隠されていた。
デール氏が紹介したのは、あるデザイナーのデザインした古いアロハシャツ。
ダイヤモンドヘッドと思しき山と海、ハワイの伝統家屋の前で踊る人々、ボートの縁に腰掛ける女性とボーイフレンド。
私には、最初、一見よくあるアロハシャツの柄としか映らなかった。

デール氏は、このデザイナーにその製作の様子を聞き取ったようだ。
このデザイナーは日々目にする風景や写真をもとにシャツのデザインを書き上げた。
ダイヤモンドヘッドや踊る人々はデザイナーの目にする日常そのものだったのだ。
ボートの縁に腰掛けるカップルは、ある雑誌写真がもとになっていた。
デール氏が紹介した、その元になったモノクロ写真を見ると、構図が同じである。
写真に写るカップルの談笑する空気感がそのままアロハシャツに吸い込まれたようだ。

もう一つのアロハシャツには、レイと大型船からタラップで降りる人々のパターンがプリントされている。
当時、アメリカ西海岸からバケーションにやってくる人々が大型船でハワイに寄港する様子を描いたものだ。レイを持って客船を出迎える人々。
デール氏は当時の客船や出迎え風景の写真を同時に見せて説明してくれた。

なに気ない(と今は思ってしまう)デザインに、その当時の現実風景が込められているとわかると、そのシャツは全く違ったものに見えてくる。
当時のハワイの空気感や客船を迎える熱狂が伝わって来るようで、アロハシャツの見方が少し変わった気がする。

<日本的波の描き方>
デール氏の説明の中で、おもしろいエピソードがあった。
アロハシャツ発展の初期、アロハ生地は日本の生地メーカーに発注していたそうだ。
生地を日本のメーカーに注文する際に、デザインの元となる雑誌生地の切り抜きなどを日本に送り、出来上がりイメージを伝えていた。
あるビンテージアロハシャツが紹介された。
それは日本に発注した生地で作られたシャツだった。
山、海、ボードなどハワイの風景が描かれたアロハシャツ。
日本の生地職人が、まだ見ぬハワイの風景を写真で想像しつつ、作った生地なのだそうだ。
なるほど、波のブレイクする様子が、まさに富嶽三十六景を彷彿とさせる、ジャパニーズスタイルなのだ。
日本的波が描かれたハワイのビンテージアロハ。

コレクターでもない私でも、興味深く、奥深いアロハシャツの一端を垣間見させてもらった。





2016年4月20日水曜日

パタゴニア:アロハシャツの権威、Dale Hope氏:知られざるアロハシャツの歴史vol.1

日本でもおなじみのパタゴニア。
面白そうなイベントに参加することができた。

ニューヨーク、マンハッタンにある、パタゴニア・バワリー店にて、
Patagonia Pataloha 30周年を祝ってのイベントが開催されたのだ。
イベントでは、Patalohaのデザインを手がけたデール・ホープ氏のトークを聞くことができた。

パーティは7:00pm~ということだった。
電車が遅れ、20分ほど遅れてお店に到着。
店内では、たくさんの人が談笑しており、真ん中に大きなスクリーンとパイプ椅子が設置されている。
店内には、カウンターが置かれていて、何やら山積みのココナッツとクラッカー、ビールと思しきものが用意されている。
お客さんの多くは、ココナッツかビール(ハワイアンビール)を手にしている。
よくイベントでは、飲み物を売っていたりする。
そういうものと思い、スタッフに尋ねると、フリーだそうだ。
なんという気前の良さ。
ココナッツジュース(殻つきのそのまま)をいただき、店内商品を物色しながら待つ。
4月にしては暑い日だったので、ココナッツジュースがしみる。

4月22日はEarth Dayということで、
サーフライダーファウンデーションのスタッフが"Tips for Earth"を集めていた。
私もエコバック、エコボトル持参、と紙に書いて出しておいた。
ハンカチ持参、というのを書き忘れたのが悔やまれる。

ニューヨークで驚くのは、どのトイレもペーパータオルがあり、
トイレのゴミ箱は使用済みペーパータオルで溢れている。
ハンカチを持ち歩く人を見たことがない。


<パタゴニア・バワリー>
マンハッタンにある、サーフィン中心のパタゴニアショップ。
バワリー(Bowery)と呼ばれるマンハッタン南東部のエリアに位置する。
巨大な波の写真が飾られ、各種サーフボード、ウェットスーツ等、サーファーにとっては機能的なお店だ。
SOHOにも近く、一帯のニューヨークに特徴的なレンガ建築の町並みに溶け込む、おしゃれなお店だ。

<デール・ホープ氏>
アロハシャツの権威として知られる、アロハシャツのデザイナー。
ローカル・モーションのライセンス生産や、パタゴニアの"Pataloha"のデザインに参画。
BEAMSともコラボされている。


Surfing in New York

千葉県でサーフィンを始めて約10年。
現在アメリカ合衆国ニューヨーク市に居住しています。
サーフィンのイメージからは遠いところにあるニューヨークですが、
海辺の町であることには変わりません。
ニューヨークのサーフカルチャーを中心に地元の日常をお伝えできれば幸いです。